みなさんこんにちは! アセアジャパンのコーチ渡辺です。
今日はコーチの「真実性」の大切さについてご紹介したいと思います。
人間性心理学の基礎を築いた心理学者たち
コーチングが根ざしているもののひとつが、
「人間性心理学」であることはすでに講座で学んでいただきましたね。
人間性心理学者として最も有名なのは、
アブラハム・マズローやカール・ロジャースです。
特にカールロジャースは「答えはクライアント自身の中にある」という
来談者中心療法というカウンセリングの考え方を生み出したわけですが、
これがコーチングの基本的な考え方にもなっていったわけです。
カール・ロジャースの考え
さて、このカール・ロジャース、
セラピーを通して患者に本当の変化が起こるために最も重要なのは、
会話のテクニックの上手下手ではなく、
セラピストの真実な人格だと考えていました。
彼はこう言っています。
「相手が自分の現実をきちんと探し求められるようになるのは、
私が自分の中にある本物の現実を提供することでのみ可能になる。
・・・本物であることはとても重要である。」
どういうことでしょうか?
「真実さ」は伝染する!
要するに、セラピストが自分をごまかしたり、
「いい人」を演じたりしない人であるかどうか、
表面を取り繕うような接し方をする人物でないかどうかが、
クライアントが自分や自分の問題に対して正直に向き合うかどうかを
大きく左右するということを言っているのです。
自分や問題に真実に正直に向き合わないなら、
本当の解決や成長は望めませんよね。
セラピストがそのような態度を持った人であり、
自分自身に対して正直で真実だと、
その「真実さ」が相手に伝染するということなのです。
発見のきっかけは・・・
ロジャースがこれを発見したのは、
自分のコンディションがすぐれないときに、
それを相手に隠さずに伝えたことで、
クライアントの姿勢に変化が起こったという体験をしたからだそうです。
もちろんだからと言って、
ロジャースが自分の気分次第でクライアントを振り回したということでも、
自分のコンディションに合わせるように、
クライアントに暗黙の要求をしたということでもありませんので、
誤解なきようご注意を!(笑)
加えてもちろん、
人格さえあればいいとか、
コミュニケーションスキルを軽視してよいとかいうことではありません。
コミュニケーションスキルは当然、必要不可欠なものです。
いずれにしてもロジャースのこの気づきは、
コーチングにおいて、
コーチがどんな存在であることが必要かを教えてくれますね!