ICFコアコンピテンシーから【傾聴】を考える③ 「相手が伝えている以上の ”何か” を認識する」

 2/27月に開催されたオンラインコーチングステーションは【傾聴】をテーマにしました。
 参加してくださった皆さんも、それぞれの課題を発見して練習に取り組むことが出来たのではないでしょうか?

2/27実施 コーチングステーションの様子

 

今日も引き続き、ICFコアコンピテンシーの中から【傾聴】のポイントについてご紹介したいと思います。ICFコアコンピテンシーは、世界的に認められている世界最大級のコーチング団体ICFの定めるコーチの能力水準です。(ACEAジャパンは、ICF日本支部の法人パートナーです。)

伝えている以上の”何か”を認識する

 以下は、ICFコアコンピテンシーの中の傾聴に関する部分の抜粋です。

06.積極的傾聴 Listens Actively

3. クライアントが伝えている以上の何かがあることを認識し、問いかけている 
Recognizes and inquires when there is more to what the client is communicating 

ICFコアコンピテンシーより抜粋

 この点について、あなたの傾聴はどうでしょうか?
 語り出せばとても深い内容ですが、一般的な事としては以下のようなことがあるかもしれません。

沢山ある非言語コミュニケーション

 ご存知の通りコミュニケーションには、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーション(Non Variable Communication​ 以下NVC)がありますね。

 そして、この場合、「伝えている以上の何か」ですから、主にNVCの情報に注目することになると思います。

 ところが、NVCの要素は控えめに言っても沢山あり、この点に関係が深そうなものだけでも...、

◆身体動作= しぐさ、ジェスチャー、表情、目の動き、視線、瞳孔の広がり、姿勢
◆疑似言語= 声量、ピッチ、スピード、声の質、発音、明瞭性、口ごもり
◆対人距離= 距離の取り方、座り方、個人的空間
◆人工品 = 服装、メガネ、装身具、化粧
◆環境要因= 音楽、インテリア、照明、Zoomの背景
などなど。しかも、「沈黙」など上記に含まれていないものもありそうです。

(ナップ(Knapp 1978)の7項目の分類から抜粋)

 リアルタイムで進行するコーチング中に、こんなに沢山のリストを参照しながら、しかも「問いかける」のでは頭がこんがらがってしまいそうです。あなたはどう思われますか?

奥歯にものの挟まったような言い方

 ところで、「奥歯にものの挟まったような言い方」という慣用句がありますよね。
 Wikipediaには、「思っていることをはっきりと言わないので、何か隠し事をしている様な言い方になり、すっきりしないこと。」という意味の慣用句と書かれていました。なるほど、そうなると、なかなか複雑な状態を短く表現している慣用句です。 

 そういわれれば私たちも、そのような場面に出会うと直感的に分かる感覚がありますよね。


 決して、「むむっ、この人は、なかなか核心に触れず、口ごもり、声が小さく、「あの~」が多く、手遊びが多く、妙な沈黙、 妙な笑顔、目が泳いでいる、いつもより距離が遠い、いつもはかけないサングラスをかけているから...」などと考えません。

 伝えている以上の ”何か” を認識するためには、前提としてNVCなどの知識を学びつつも、現場では私たちがもともと持っているこのような ”感性” を発揮するために、ある意味リラックスして、

『一箇所にとらわれずに全体を見る』ということも求められます。


 以上、少しだけご説明をさせて頂きました。
 ICFコアコンピテンシーと照らして、ご自信の「傾聴」を振り返ってみてはいかがでしょうか?

 他のコーチはどうしているのかな?と思ったら、ACEAジャパンのコーチングステーションにも是非、ご参加ください!どなたでもご参加いただけます!

投稿者: 清水 大輔

清水 大輔 (しみず・だいすけ) ACEAジャパン認定コーチ。

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